筋トレ・ダイエット 諸説あります

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結局HMBってどうなん?

HMBというサプリメントについてネット広告を見る機会が結構あるのですが、結構強気な煽り文句で紹介されているので気になっている方も多いのではないでしょうか。

 

そもそもHMBってなんでしょうか。

筋繊維の合成は筋トレなどの物理的負荷が引き金となって促進されるわけですが、そのメカニズムとしては、インスリン様成長因子IGF-1とその細胞内情報伝達経路が重要な役割を果たしていることが分かってきており、その中でも特に哺乳類ラパマイシン標的タンパク質(mTOR)と呼ばれる物質が特に注目されています。このmTORの働きを活性する物質の1つが必須アミノ酸でもあるロイシンで、このロイシンが筋肉で代謝されたものがHMBです。 (;゚∀゚)=3ハァハァ

 

要は筋合成を活性化させる効果がありそうなポテンシャルを持った物質です。

 

基本的に薬とか、サプリとか効果を謳うにはそれなりの裏付けが必要なわけでして、一般的にはエビデンスなどと言われています。トクホの広告とかで体重変化のグラフとかが出てたりするアレですよ。

ただ、このエビデンスってのも、特に決まりがあるわけではなく、極端な話1人に試して効果ありましたでも、エビデンスエビデンスなんですよ。まぁ、論文が掲載されるまでには査読(他の研究者や同分野の専門家による評価や検証)されることがほとんどなので、よっぽどなものはその段階でハジかれますけど、単独の結果だけだと結構強気な論調でもごり押しできるわけです。

勘の良い方はお察しの通り、HMBの強気な煽り文句は上記のような背景があります。

 

新しい見解や物質が報告されると、それに関する反証や追加検証等が行われるのも世の常でありまして、それらの研究をまとめて実際のところはどうなの?という分析をする方法もありまして、一般的にはこのようなまとめ(メタ解析や系統的レビュー)の結果導かれる結論が信頼性が高いという評価となります。また、実験の方法として、ランダム化比較試験というのも信頼性という観点ではほぼ必須な研究手法と言えます。サプリを摂取する群とプラセボ(偽薬)の群に加えて現場を取り仕切る監督者もどれが本物かわからない状況(二重盲検法)で実施することで、得られた結果が本当にサプリの効果だという説得力が増しますよね。

 

余計な話が入りましたが、HMB効果ありの研究結果には上記を含むこの手の業界で必要とされる統制が不十分であるとの指摘がまず疑問視されます。中には結果を出すために被験者を選択するような(逆の意味での統制)が疑われるような研究結果まで出てきたりで結構混乱している状態が続いています。サプリメーカーの事情というのもあるみたいですが・・・

 

で、HMBのメタアナリシスの結果としては、効果は限定的というのが一応の結論となります。内容的には少なくとも広告で謳われているような劇的な効果は期待できなさそうです。特に筋トレ歴の長い筋トレ経験者には恩恵が少ないようです。

一方、初心者や高齢者といったトレーニング負荷に対して筋量が増えやすい(高齢者についてはちょっと意味合いがズレますが・・・)人たちには効果があるとのことなので、お金に余裕があるなら試してみても良いかもしれません。ただし、過度な期待はしない方がいいと思います。

HMBを含むサプリ全般について言えることですが、売りたい人たちは針小棒大に購買欲を煽ってくるわけですが、よほどの悪徳でなければ、レアケースであってもデータが事実だったとも言えるわけです。

逆もまたしかりで、8割に効果が出ても自分にはいまいち合わないってこともあります(データには誤差(ほとんどのデータにはエラーバーが出ていると思います)が付き物です)。

情報はあくまで情報として、最終的な決断は自分自身で行うことが大事です。筋トレは個人差が大きいので、自分のカラダへの最適解は自分で見つけるしかないのです。そのための知識なり情報を共有していきましょう。