筋トレ・ダイエット 諸説あります

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運動能力を向上させるサプリメント

前回の流れでサプリについてIJSNより抜粋

 

直接スポーツのパフォーマンスを向上させる優れたエビデンスを持つサプリとして記載があったものについて紹介します。

①カフェイン(Caffeine)

カニズム:アデノシン受容体拮抗作用。エンドルフィン放出の増加による神経筋機能の改善等。

 

使用方法(論文):体重当たり3–6 mg/kgの無水カフェイン(錠剤又は粉として)を運動の60分前に摂取。炭水化物と一緒に運動前と運動中に摂取(体重当たり<3 mg/kgと~200mg)。

 

効果:持久力やタイムトライアルにおいてパフォーマンスの向上が認められた(サイクリング、ランニング、ローイング等)。運動中(開始後15~80分の100~300mgのカフェイン摂取(体重当たりではないので注意))の摂取はサイクリングタイムトライアルのパフォーマンスを3~7%向上させる可能性がある。運動の50~60分前に体重当たり3–6 mg/kg摂取した結果ではスプリントの完了時間、平均出力等で3%以上パフォーマンスの向上が見られた。また、1~2分の無酸素運動、チームゲームでの断続的なスプリントパフォーマンスについて1~8%の向上が見られた。

 

副作用等:体重あたり≥9 mg/kgのような用量については、パフォーマンス向上は見込まれず、悪心、不安、不眠等のリスクが高くなる。用量やタイミング等は(競技者であれば)競技に先立って試行すべきである。運動中のカフェインの摂取については効果改善の為に炭水化物との同時摂取を考慮する。利尿作用ありだが、パフォーマンス向上に必要な用量では影響は小さいと思われる。

 

クレアチン(Creatine)

カニズム:筋肉のクレアチン貯蔵量を増加させることで、PCr再合成速度を増大し、高強度運動能力及び高強度運動の繰返し能力を向上させる。

 

使用方法(論文):5~7日間のローディング期に~20g/日を摂取(1度に20gではなく4等分して摂取)し、その後の維持期には3~5g/日(分割の必要なし)を摂取する。(たんぱく質と炭水化物の混合物約50gと同時摂取することで、筋肉へのクレアチン取り込みが(おそらくはインスリン刺激により)促進される可能性あり)

 

効果:最大等尺性筋力、高強度運動(単発、短時間(<150秒)の繰返し)の増強。特に30秒未満で顕著。長期的な効果として、除脂肪体重の増加、筋力とパワーの向上が見られる。あまり一般的ではないが、タンパク質合成、グリコーゲン貯蔵及び体温調節の増加/改善による持久力の向上、抗炎症作用、抗酸化作用が認められる。

 

副作用等:適切な長期使用(最長4年間)での健康への悪影響は認められない。クレアチンローディングによる水分の取り込み促進の結果、体重が1~2kg程度増加することは、階級性競技や体重が増えることで不利となる競技においては悪影響を与える可能性がある。

 

③硝酸塩(Nitrate)

カニズム:ATPコストの削減、ミトコンドリア呼吸効率の向上、筋血流量の増大等により筋出力の向上等が期待される

 

使用方法(論文):5~6mmol(310~560mg)の静注投与後2~3時間以内に急性効果が見られる。長期摂取(>3日)による効果も認められる(硝酸塩を多く含む食品にはほうれん草やセロリ、ビーツ等があります)。

 

効果:サプリメントの投与により持久力が4~25%改善し、継続時間40未満のタイムトライアルで1~3%のパフォーマンス向上が見られた。Ⅱ型筋繊維(速筋)機能増強により12~40分の高強度インターバル運動のパフォーマンスが3~5%向上する(12分以下での有効性についてはエビデンスがあいまい)。

 

副作用等:今のところ硝酸塩補給に対する副作用はあまりなさそうである。人によっては消化器の不調を訴える可能性があるので良く検証する必要がある。摂取量と効果に関しては8.4mmolと16.8mmolで大きな効果が得られていないので、摂取量の上限があるように思われる。高度に訓練された選手においてパフォーマンスの向上は期待できない。

 

③βアラニン(Beta-Alanine)

カニズム:内因性細胞内緩衝液、カルノシン律速前駆体。運動中の収縮筋系におけるプロトン蓄積を改善。

 

使用方法(論文):10~12週間にわたり分割投与(3~4時間ごとに0.8~1.6g)で摂取する。

 

効果:30秒~10分程度の連続及び間欠運動において、パフォーマンスの向上(~0.2~3%)が示唆された。

 

副作用等:筋肉のカルノシンの変化とパフォーマンスについて確証が得られている状態ではないが、(βアラニンの摂取により)筋肉カルノシン合成における個人間の大きな変動が報告されている。また、よく訓練された運動選手で効果を得るのはより難しい状態です。考えられる副作用としては、発疹や一過性の感覚異常が含まれます

 

 

④重炭酸ナトリウム(Sodium Bicarbonate)

カニズム:細胞外緩衝剤として作用し、細胞内pHの調整を補助し、運動中の筋肉におけるプロトン及びLa-の流出入を促進する。

 

使用方法(論文):単発摂取として運動前60~150分に体重あたり0.2~0.4g/kgのNaHCO3を摂取。また、間欠摂取として30~180分かけて同量を小分けにして摂取したものと、2~4日間に1日当たり3~4回小分けにして連続的に摂取する方法が実施された。

 

効果:10分を超えるような運動において効果は減少するが、60秒程度の高強度スプリントにおいてはパフォーマンスの向上(約2%)が見られた。

 

副作用等:消化器系への影響が懸念されます。よって体重あたり~1.5gの炭水化物を含む食事との同時摂取や代替品としてのクエン酸ナトリウムへの置き換えを検討してもよさそうです。また、分割投与についても有効そうです。

 

直接効果があるというサプリでも、限界能力を数%(競技者にとっては大きな数字ですが)上げる程度ですので、一般人が過度な期待をするようなものではないですね。

 

とはいえ、カフェインやクレアチンなどは使用時に体感があったりしますので、自分に合うものを無理のない範囲で選択していけばよいと思います。

エナジードリンク系にはカフェインが結構高用量で含まれるものもありますので、エナジードリンク+スペシャルプレワークアウト(カフェインたっぷり)で、過剰摂取とかにならないように注意してください。(カフェインの継続使用ではだんだんと効きが鈍くなるので、そうなった場合は量を増やすのではなく、摂取を控える期間を設けて対処してください)